しつらいで日本住宅の美しさを表現
夏のしつらい、冬のしつらい、華やかな宴のしつらい
奥の間
しつらいとは、たとえば夏は襖や障子を簀戸に替え、御簾をかけ、網代や籐筵を敷き、冬は 緞通を敷くとか、床の間の軸や棚の飾物、屏風などを行事や季節によって替えるというような ことで、これは日本住宅の特徴でした。
しかし最近は生活様式がすっかり変わり、こうしたこ とがほとんど行われなくなりました。
熊谷家住宅では、忘れられつつある和風住宅の美しさ、面白さを再認識していただきたいと 考え、季節や行事にあわせて、しつらいを替えております。
夏のしつらい:奥の間
夏のしつらい
6月の衣替えと同時に、部屋のしつらいも夏用 となります。襖や障子を簀戸や御簾に替え、畳の 上には網代や籐筵を敷きます。風がよく通り、見 た目にも爽やか。
日本の住まいの夏の表情です。
冬のしつらい:奥の間
冬のしつらい
冬には畳の上に緞通を敷き、手あぶりを出しま す。
緞通は江戸時代に中近東から中国を経て日本へ伝わった敷物です。
ここに敷いたものは、大阪 府堺市の文化財に指定されている見本帖をもとに 復原した手織り緞通で、サイズは一畳物。部屋に 敷きつめたり、敷き方によっては座所や通路とし ても使います。
華やかな宴のしつらい:奥の間
華やかな宴のしつらい
五色の毛氈をだんだらに敷きならべた、雅やかなしつらいです。毛氈は獣毛に湿気・熱・圧力・摩擦などを加えて成型したもので、奈良時代には 日本に伝わったと言われています。
華やかな宴、重要な会合など、しつらいを替えることで様々な使い方や演出ができるというのも、和風住宅の魅力の一つです。